2022年10月28日金曜日

郊外ノ病院ニテ痔核ヲ見タルコト

 たとえば「今夜、すべてのバーで」のように、「都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト」のように、入院するとオモロいことが私にもあるだろうか、とちょっとだけ期待したものの、そんなものはなかったのだが、それでも手術後ベッドに寝ていただけの長く間抜けな時間をただ忘れ去ってしまうのもアレなので、この期間のことテキトーに書き記しておこうと思う。


そもそも入院を伴う痔の手術を受けようと決断したのは、年々上がり続けるγ-GTPの数値が6月の健康診断でとうとう400を超えその後も下がらず、かかりつけ医に「そろそろ飲み方を考えないとこれからの人生に影響及ぼすことになりますねぇ」と言われたのがきっかけっちゃあきっかけだ。

「アルコール性肝炎とか肝硬変の入口にいる」と言われ、休肝日は週2日、そして飲酒記録をつけるように、とのお達しであった。休肝日を設けながら酒を飲む、ということが私にはできない。試したことはあるが、明日休肝日で飲めない分たっぷり今夜飲んどこう、昨日休肝日で飲めなかったから今夜はたっぷり飲もう、という情けない態度によって酒量は増え、まるで休肝にならない。なんだバカバカしい、といって結局休肝日をなくしてしまうからだ。

9月最終週、息子がセカンドスクール(昔でいう林間学校?)で白馬に4泊するという。その間に発熱などあれば保護者は自家用車ですぐ迎えに行かねばならない。のでヨメに禁酒を命じられた。ヨシ、それならいっそそこから10月いっぱい禁酒して、11月アタマに採血検査、そうすればγ-GTPも下がり、晩秋には堂々と酒が飲めるだろう、と考えた。

弱った肝臓とは別に、もう20年近く私を悩ませているやつがいる。痔である。内痔核である。33歳頃は痛みというよりとにかく出血がひどく、一度貧血でぶっ倒れ、フラフラで病院にたどり着くと「よく意識がありますね、本来あるべき血液量の6割くらいしかないですよアナタ今」と医者に驚かれ、その場で輸血したほどだ。

その後ごまかしごまかし痔と付き合ってきた。リキむたび公共トイレの壁を血まみれにしたこともあるし、下北で飲んでる最中にイボが破裂しジーパンの尻が血まみれになったまま井の頭線で帰ったこともあるし、しばらく生理ナプキンを常用して暮らしていた時期もある。ここ数年は、小康状態を保っている、と言えば言えるが痔核風船の膨らみは飲酒とともにその存在感を増し、正直排便が毎度毎度ツラいのであった。

昨年、とある痔克服先輩に専門病院を教えてもらった。話によるとその病院では手術と入院と自宅安静で3週間ほどの療養になるが痔はキレイに治るそうだ。いつか行ってみようとは思いつつ日常の雑事にかまけていたわけだが、1ヶ月強の禁酒を決めた今こそその期間を痔の治療にあてるのがモアベターなのではないかとフト気付いた。

話が長くなったが、肝臓を休めるために酒を断つ、痔に悪影響する酒を断つと同時にお尻を手術してしまおう、療養期間を終えれば晴れてまっさらなカラダで心置きなく酒が飲めるぞ、というむなしい発想でございます。

さて、入院である。入院てしたことあったっけ? そういえば幼稚園年長の頃に入院したことがある。喉仏のあたりに腫瘍ができてそれを除去する手術で入院したのだった。県立の総合病院で入院病棟も大きかった。館内放送で流れていた音楽の記憶。覚えているのは、起床時は『四季』の「春」とか、21時消灯前には「All you need is love」とか。その時はもちろんヴィヴァルディやビートルズを知っているはずもなく、それは小学生になってから知った(ポンキッキで流れていた「When I'm Sixty-Four」がビートルズの曲だとのちに知ったように)。わりとこう、風通しの良い広くて明るいところだったイメージ

それに比べ46歳になってしまったおじさんが今回入るのは郊外のこじんまりした肛門病院の相部屋。コンパクトにまとめた荷物を抱えていざ病室へ。入口とベッド頭部に名札が貼られているが、早速名前の漢字が間違っている。まあそれで困ることもあるまいし、そういう名前の人になりきって入院生活を送るのもよかろうと、そのままにしておく。

入院翌日が手術。手術室に入るとガウンを脱がされ全裸に。看護婦さんたちの前にスッポンポンで立つ。身につけているのは眼鏡のみという自分の姿が可笑しい。高校生時分、地元の博多祇園山笠ではフンドシ姿になってヤマをカイて(山車を担いで)いた。フンドシを巻いてもらうため女性陣の前でフリチンになるのはとても恥ずかしかった。46歳になるとどうだ、全裸でトホホとハニカむだけだ

スッポンポンのまま手術台に大の字でうつ伏せ。これも実に間抜けな姿である。心拍数がずいぶんゆっくりだと指摘された。水泳とかサッカーとかマラソンとかやってました?と訊かれたが10代の頃ちょびっとサッカーやってたくらいでこの歳まで影響するんだろうか?

腰椎麻酔で痛みはないまま手術は終わったが、切除部分が太い血管を含んでいてかなりの出血あり、気分は大丈夫かと途中何度も心配された。切除したモノを私に差し出しながら説明しようとする先生のお顔を見ると、肛門から噴き出た血をたっぷり浴びていた。すまんこってす。

先生が指先でプニプニいじりながら切り取ったブツを解説(私は全裸で手術台に突っ伏したまま)。痔核からはポリープが長く伸びてその先が輪っかを描くようにしてまた痔核に複雑に癒着していた。なんなんだコレは。しかし見た目は砂肝のようで、串に刺して塩して焼いたらわりと美味そうである。成敗してもらった憎きイボというより、自分が長い時間かけて育てたヤツ、愛い奴、に見えた。ホルマリン漬けにして5千円で販売します、と言われたら購入したと思う。

紙おむつをはかされ病室ベッドへ運ばれる。大学生の頃、ステージ衣装として紙おむつ一丁で弾き語りをやったことがある。明大前の小さな薬局に紙おむつを買いに行ったら老店主が「そんなにお若いのに介護なさって偉いですね、おじいちゃん?おばあちゃん?のお世話ですか」と対応されたのを覚えている。その時は「へへ、まぁ」などと誤魔化してしまったが、今日は人生2度目にして堂々と着用する大人用紙おむつだ。

その後は点滴を受けながらひたすら寝る。タイミングが来たら食事とお風呂開始。カラダを起こすと麻酔後遺症(髄液が漏れて脳圧が下がる?とかなんとか)の頭痛がツラいので、退院までベッドに横になってるしかない。テレビは観ない習慣なのでネットニュースで、高橋祐也氏覚醒剤所持で5回目逮捕、小室圭氏NY州司法試験3回目で合格、小田原ドラゴン先生2000万円差押え、など。

入院5日目の午後、風呂から上がって部屋に戻ると隣りのベッドに新規入院のオッサンが。とてもタバコくさく鼻を何度もかんだかと思えば喉がイガイガしてそうに咳込み呼吸がハァハァ荒く全ての動作にうるさい物音をたてる。イヤな予感というより即アウトじゃよコリャ。スマホは常にブーブーなにかを受信し飴玉をいくつもカリコリ舐め回しガムをクチャラクチャクチャ…これは相当キツい。

夜、耳栓をして寝たもののイビキのすごさが伝わってくる。翌朝、私と同時に入院し同日に手術した同室のQ氏「昨日は1時間も眠れなかったですよ…」。夜中に部屋を抜け出し1F待合室や3Fロビーで寝ようとしてみたが看護婦さんにだめよと言われたという。

そこでQ氏、ナースステーションに直訴し部屋を移動させてもらえることになった。私にも「看護婦さんに頼んでみたほうがいいっすよ」とすすめてくれる。が、これで軽々に移動する私ではない。退院まで地獄に耐えてやるというこの泣き寝入り体質を捨ててしまっては私が私でなくなる。唯一の長所、痩せ我慢の見せどころである。

次の日の朝も隣のイビキ男、起床時刻前だというのに勝手にシャーッと荒々しく窓のカーテンを開けグビグビ飲んだペットボトルをバキバキ大音量で握りつぶしそれをゴミ箱に投げつけた音がガコーンと薄暗い部屋に響く。朝食後、でかいイビキをかいて寝ている。昼食後、またでかいイビキをかいて寝ている。

夜巡回の看護婦さんにこの男が言う「いやぁ、眠剤もらえます?もう全然眠れなくって」。怖い。痔と向き合うはずだった私の入院が、もはやこの男と向き合う入院にすり替わっている気がする。

院長の診察で、思ってたよりも早い退院日が提案された。起き上がると頭痛は相変わらずだが、どうせ寝ているだけなら自宅で寝てればいい、不快な男とはさっさとおさらばだ、と判断し入院8日目で退院した。

肛門からの出血と分泌物があるので多少の痛みとともにまだまだこまめにガーゼ交換しながらパンツ内の違和感を我慢しなくてはならない。排便時の痛みにも慣れなくてはならない。これから2週間、刺激物も酒も運動も運転もNGだという。定期的に診察へも行かねばならぬ。

肛門の悩みからすっかり解放されるのはまだまだ先のようであるが、早くその日よ来いカモンカモン、これを「♪コゥモン コゥモン」に代えてビートルズ『プリーズプリーズミー』を歌いながら、家の布団に横たわっている2022年の秋である。

2017年9月17日日曜日

フジロック2017 リポート ~苗場ファーストの会~


今年もまた記憶がありますうちに、
「怪文書みたいなもん」「出所不明」
などと言われてしまうことのないよう、
フジロック・リポート(という名の
中年男たちのスローなブギ)を記録して
おこうと思います。ウォンチュー。


■7/28(金)------------------------------

今年は直前にK山氏が参加を離脱したため、
いよいよイトウと山DAふたりっきりによる
「苗場ファーストの会」でレンタカーを
借りて参戦。

木曜20時に吉祥寺を出発し、関越道を
ひた走る車内では助手席の私がひたすら
「このハゲー!」と運転手イトウに
向かって叫び続けて彼の眠気を覚ます。

苗場着、「場内1」のベストポジションに
駐車して23時半にはビールで乾杯。
昨年、我々にとってベストアクトだった
「味平」がひょっとしたらフードエリアに
いるんじゃないかと気になって期待しつつ
遠くから店頭を確認し「いる!いる!」と
近寄ってみると、残念ながらそれは味平に
似ている感じの人たちであった。

昨年のベストアクト「味平」

似ている感じの人たち


するとその場にイトウの職場女性トリオが
すでに到着していて、わざわざなんと
テントサイトまで我々の荷物運びを
手伝ってくださった(謝々)。
それなのにイトウが心臓破りの坂ですぐに
弱音を吐き始めたため、テントを提供して
もらっている手前「イトウのご意向」を
忖度し私が重たいカートを引いて懸命に
坂をのぼる。もうじき41歳を迎える本厄男
にとっても実にツラい坂である。

ほぼ例年通りの場所を陣取ってテント設営。
イトウが「テントの組み立ては簡単なんで
すぐ完成します」と豪語するわりに、
ちょいちょい手の動きが止まる。

イトウ「えーっとですね、これは… どう
やるんだっけな、んー、久々だとやり方
忘れちゃいますね」

山DA「お前簡単に組み立てられるって何回
も言ってたくせに苦戦しまくってるな」

イトウ「そういうですね、あたかも私が
苦戦をしているかのごとくですね、
印象操作をするのはやめていただきたい」

テントを無事張り終えぐびぐびとビールを
飲んでいると、土曜日だけ参戦するS村氏の
ためにもうひとつテント張れるスペースを
確保しておく必要がある、とイトウ。

お花見や花火大会の場所取りみたいに
ブルーシートを広げて一応スペースは
確保してみるが、テントサイトが
混み始めるとそんなブルーシートも勝手に
はがされてテント張り始めるヤツラもいる
ので、私がトンチを利かせて不気味な
竹の棒を何かのまじないのように地面に
突き刺し、人を寄せ付けないよう工夫。

これで気味悪がって誰も近づけまい

山DA「しかしオトモダチのために公共の
スペースを私物化するなんてコレ森友問題
みたいじゃないか?」

イトウ「そのような指摘は当たらないです、
全く問題ないと思いますね」

仮眠してから、初日の身支度を整える。
これまでのフジロックで散々ダニに刺された
シンドい経験があるため、私は持参した
「国内最強」虫除けスプレーを入念に腕や
足にふりかける。

イトウも去年はダニに相当酷い目に合わされ
今だに虫刺され痕が消えていないというので
今年の虫除け対策はどれだけ気合いが
入ってるんだろうと思ったら「あ、山DAサン、
虫除け借りてもいいっすか?」と言って
私の「国内最強」虫除けスプレーを自身の
カラダに噴射しまくっている。

山DA「何だお前、去年あんだけ酷い目に
あっておきながら虫除けも持ってきて
ないのか? 」

イトウ「いや、持ってきてはいるんすけど」

なんとイトウが今年持参してるのは小瓶に
入ったオシャレなオーガニックのショボイ
虫除けスプレーだけだというから驚いた。

山DA「虫除け対策の重要性を去年あれだけ
肝に銘じたのを覚えてないのか?」

イトウ「具体的な記憶はございません」

もう去年のことを覚えていないというのだ。
怖ろしいことである。



さて、初日はこんな感じで流します。
 Yogee New Waves
 DOCTOR PRATS
 Big Willie's Burlesque
 OGRE YOU ASSHOLE
 サニーデイ・サービス
 スチャダラパー
 THE XX
 Queens Of The Stone Age
 曽我部恵一


私はまずは会場全体を見渡そうと、
Cafe de Paris まで。というかいつもの
マネキンちゃんの乳首を今年も確認しに
行くのですが。



ちょうどその時、松尾スズキ氏のツイート
にあった写真が私の目の前のマネキンと
シンクロしたので記念に記しておきます。

グループ魂?

マネキンちゃん


イトウと会場内を歩いている時、我々の
前方を歩く男性が全身おなじみ赤白ロゴ
「Supreme」でキメていて、イトウが
「これ総額20万円くらいしますね」と
囁きながら「これからずっと3日間雨予報
なんで全部泥々になってくれ」と祈って
いた。その後に観たサニーデイで曽我部氏
は大胆な赤白のステージ衣装をキメていた。
イトウが「なんなんすかあの格好、赤い
Tシャツを白いズボンにインですよ?
これはさすがに強い違和感を覚えました」
と語気を強めていた。



レッドマーキーでスチャダラ。ウチの小2の
息子が最近ちょうどコロコロコミックを
熱心に読んでいるのですが、「50歳になった
ANIがコロコロを定期購読してる」という話を
BOSEが披露、ヤバいを通り越してその
ありえなさになんかちょっと感動。

それはそうと、当初私の前にはカワイイ
おネーチャンが立っていたのですが、


ライブが次第に盛り上がってくると
白いTシャツを着たデブ女2人組が背後から
体当たりしてきて私の前方を占拠。


「ひょっとして明日のオザケンもこんな
女たちが大挙してくるのだろうか…」と
一抹の不安がよぎる。

もう夕方。グリーンで私は特に興味もない
ので「RADWIMPSにつきましては、改めて私
から個別に確認をすることを控えさせて
いただきたい」くらいの心境でしたが、
イトウが「野田洋次郎って顔が吉田沙保里
そっくりなんすけど超モテモテで浮名を
流してるのがマジ気に食わないんすよね」
というので、ちょっと聴いてみるなど。



ZAMIANGに今年はわずかばかりの観客が
いたようで安心した頃、空には三日月が…。


そういえば今年はワールドレストランが
整理されて苗場食堂が広くなってました。


さらに後方にはキャンドルでアレンジされた
スペースもあり、ダンドリ・ジュン先生の
仕事拡大っぷりを確認、さすがのダンドリ。


イトウは苗場食堂でスカートを観ようと
待機していたらしいのですが、
「21:20スタートのはずなのに30分
経ってもまだ始まんないんですよ、
サウンドチェックという地位に恋々と
しがみついて。なんなんすかアレ、
全然ダンドリできてないんでマジ
頭に来て観るのやめました」とのこと。

初日の最後にイトウとピラミッドガーデン
へ向かっていると「あ、ちょっとコーラ
買っていいすか?」とイトウが自販機に
千円札を入れたところ、お札使用中止の
ランプが点いてそのまま自販機が動かなく
なってしまった。千円札が飲み込まれて
しまったことに、私なら泣き寝入りする
ところであるがイトウはたくましく
「諦めきれないです、千円ですよ?」と
コカコーラ社の緊急連絡先に電話。


担当者が電話に出たので事情を説明すると
「今から5分で行きます」とのこと。
確かに5分後、サンダル履きの兄チャンが
走ってやって来た。


兄チャン「千円札が湿ってて途中で
動かなくなったみたいですね。
いやーもうこんな遅い時間でしょ?
酒飲んじゃってるんで車運転できない
から寮から走って来ましたよ!」

なんとなく爽やかに言ってのけて
兄チャンはまた去って行ったが、
「寮があってそこにトラブル対応のために
待機してたってことですよね?酒飲んじゃ
ダメじゃないすか、だって仕事中ですよ!
カスタマーセンターの対応者が酒を飲み
ながら仕事するようなもんですよ!
ありえないっすよ!」とイトウが激怒。

私は「そのような批判は全く当たらない
わけでありまして、コカコーラ社の
兄チャンには今後も誠心誠意、職務に
邁進することによってですね、責任を
果たしていただきたいと、このように
考えているところでございます」と
かわし、イトウのSNSへの投稿などに
よってこの件を炎上させない考えを
示した。


とまぁ、こんなしょうもないことを
やってるうちに初日終了。



■7/29(土)------------------------------

昨夜は夜更かしもせず早々に消灯した
我々でありましたが、実はウシガエルの
やかましい鳴き声が聞こえてなかなか
眠ることができず、朝はまたその
ウシガエルの鳴き声に起こされるハメ
になりました。

ま、隣のテントに子連れで来てる
お父さんのいびきなんですけど。
しかしとんでもねえいびきだったナ。

そういえば昨今、「若者の◯◯離れ」
なんて話を、やれ恋愛だ車だお酒だ、
などというワードを当てはめてよく
耳にしたりしますけれども、若者の
フジロック離れなんてのも話題に
なったりしてるんでしょうか?

中高年の祭典

なんて言われても、そうだナ俺らも
もう中高年だもんナと納得するしか
ないのかもしれませんが。

ヨメが職場で「旦那がフジロック行く
のでその間ひとりで子守りするのが
大変だから帰省する」みたいな話を
たまたましたところ、自称音楽好きの
同僚若手男性が「フジロック?まだ
そんなんやってんすか?なんか古いと
いうかオッサンくさい感じしますね」
と言われたそうです。

子連れウシガエルの鳴き声を
オッサンくさいと受け取るべきか、
真のロック好きと受け取るべきか。
(奇しくもこの夜オザケンがステージで
「愛してるぜ、ロック好きな人。マジで」
って心こめて言ってくれましたけれども、
オザケンも中高年だ)


2日目だけ合流するS村氏・イトウ奥さん
のための場所取りは、不気味さが功を奏し
無事にスペースは確保されたままで
あったが、結局朝から雨が降り続くため
テント張るのを諦めたので意味なし。



イトウが「10代の頃から下痢に悩まされ
続けてきたのだが、新しい薬を医者に
処方してもらってコレが効果抜群で
最近はウンコらしいウンコが出て感動
している」と私にカミングアウトした後
S村氏の待つ駐車場へ向かったのと
入れ違いでイトウ奥さんがテントに到着。


私が「イトウが10代の頃から下痢続きで
最近薬によって治ったの知ってました?」
とテント内の荷物整理をしながら訊くと
「いえ知りませんでした、それはそうと
山DAさんは荷物キレイに整理しますね、
血液型A型ですか?」と言われたので
「いいえ、あなたの旦那イトウと同じ
AB型です、ついでに言うと今日あなたが
一緒に来たS村氏もAB型です、私たちの
まわりはAB型ばっかりです」と答えた
ところ一言「気持ちワルッ」と返された。


さて、2日目はこんな感じで流します。
 KYOTO JAZZ SEXTET
 PUNPEE
 never young beach
 THE AVALANCHES
 THE LEMON TWIGS
 Cornelius
 小沢健二x2


そういえば、今年ももつ鍋ちゃんぽん
食べたかったのに「うみの」が閉店
してて残念な思いをしました。

博多もつ鍋うみのが閉店!


雨模様であっても今年はところどころ
しっかりめの山道舗装があって。


気温の低さも影響してか、川のモヤが
なんとなく神秘的であります。



個人的にはこの日レッドマーキーで観た
「THE LEMON TWIGS」にシビレました。
まだ随分若えのにありゃロックスター
つっても過言じゃなかとですたい。


でもこの日気になるのはやっぱ


コーネリアスとオザケンの流れを
どうするかでありまして、天候も
加味した上で私は少し早めに
グリーンステージを出発して
ホワイトに向かうことにしました。


超ピンボケが最近のアー写ぽくなったぞ

案の定すごい人であったが、巡礼者の
大行列の如き堕天使たちのシーンを
くぐり抜け、入場規制かかる前に到着。


イトウが夕方「昨日山DAサンがスチャの
時にいたっつってた白Tシャツを着た女
ってこんな感じじゃないっすか?
オザケンの時にたくさん来そうですね」
と撮った写真を見せてきたのだが、


イトウが「こんな人たちに負けるわけ
にはいかない」と語気を荒らげていた
のが印象的であったものの、実際私の
まわりはなんと男ばっかりであった。


降り続く雨でみなさんカラダも相当
冷えきってしまったからでしょうか、
ピラミッドガーデンでの2ステージ目の
オザケンは懸念してたほどには混んで
いなかった。


私なんぞはモノローグ「夏休み、我らが
社会の偉大なる時計」に興味深く耳を
傾けて聴いておりましたが、イトウ曰く
「あの喋り、長くてシンドかったす」。

まあ確かに一日中立ちっぱなしで雨に
打たれ続けて真夜中にオザケンの歌と
語りを聴いた後、ひとり足を引きずって
テントまで戻ってマッコリひとりで
飲んでたら(私以外はみな車で仮眠)、
何かの修行でもやってるような気にも
なりますが。

またウシガエルが鳴いている。



■7/30(日)------------------------------

そういえば今年はアジア系のお客さんが
多いなというのが場内にいての印象で、
現に我々のテントの少し上にはタイ人の
団体がキャンプしておられたのですが、
朝シャコシャコ歯磨きをしていたらその
タイ人の兄チャンが「すんまへん、この
財布がこちらのテントの近くにですね、
あ、あの辺りですな、さっき落っこちて
たんやけど見覚えありまへんか?」と
話しかけてきた。

「いや、私のじゃないな~」と応じると
「一緒にテントに泊まっとるお友達にも
お心当たりないでっしゃろか?」と
ご丁寧に尋ねてくるのでイトウにも一応
確認して、下のよろず相談所に持って
行くのがよいのでは?と伝える。
心優しいタイ人だな~と感心する。

それに比べてイトウときたら、

イトウ「山DAサンが初日夜にソカベに
ついてツイートしたらすぐにRTとか
いいねとかの反応が来てたじゃない
すか、僕も真似て同じ内容でツイート
したんですけど何の反応も来なかった
のなんでなんすかね?」

山DA「お前のツイートは俺の2時間後
くらいでそんなに時間ズレてたら誰も
ソカベのステージについて検索しねー
だろ」

イトウは「そうなんすかね」と言い
ながら今朝もRTやいいねをもらおうと
必死になっているようで懸命にツイート
を訂正したりハッシュタグを駆使したり
してるようなのだが一切反応なし。

訂正前

訂正後


3日目はこんな感じで流します。
 RON SEXSMITH
 T字路s
 ikanimo
 Love Psychedelico
 レキシ
 STURGILL SIMPSON
 BONOBO
 Trombone Shorty & Orleans Avenue
 Little Creatures x 原田郁子
 THUNDERCAT
 Bjork
 青葉市子


今日は私のフジロック典型的パターン
「ホワイト-ヘブン-トイレ」をひたすら
行き来するトライアングル行動なわけ
ですが、こんな日は一応ホワイトヘブン
ビーチのイントネーションで「ホワイト
・ヘブン・ウンチ」と呼んでいます。

ikanimo、いいバンド

名物デビルマンもうんこ

そういえば今年、例の「巨人」は
見かけたのですが、


結局ダンドリ・ジュンを見かけなかった
な…とイトウに言うと

イトウ「いましたよピラミッドガーデン
に。ライブとかは全然観ないでやっぱ
スタッフと綿密にダンドリしてましたね」

ダンドリに余念なし

トロンボーン・ショーティー、最高っシタ!

アヴァロンでリトルクリーチャーズを
ちらっと観てたらかなり気合いの入った
「Sweet Memories」演ってたのが結構
良かったんですが、ここはまねだ聖子を
フィーチャリングして欲しかったス。


デジカメで撮ったサンダーキャット

iPhoneで撮ったら加工なしでこの風味

ビョークちょろ観して青葉市子観て。



えー、お察しの通り、もう3日間雨に
打たれ続けて、特に記述するような
出来事・ネタなんぞもはや何もなくて
ですね、なんつっても体力的にやっぱ
クタクタになって参りまして。


フラフラでテント戻って、ちょっと
寒いし寝袋にくるまってるとすぐ
眠ってしまい。イトウはすっかり
ガチで朝まで眠る態度で就寝でした
けれど、私は最後レッドマーキーで
26時からブルーハーブ観るつもりで
いながら結局カラダがツラくて断念。
中年オッサンでんねん。


■7/31(月)------------------------------

帰る朝、出ました快晴。


テントをたたんでる我々の横で、
かなり本格的なキャンプ道具を
持参してた女子グループもテキパキ
かたずけしていたのですが、

イトウ「あいつら結構ガチだな女子
のくせに…」

山DA「あ、お前ひどい発言するなぁ」

イトウ「そのような批判は全く当たら
ない。レッテル貼りはやめていただき
たい」

山DA「そんなミソジニー通用せんぞ、
ガチのキャンプじゃないブスを見かけ
れば、やれ“婚活エリアでぬくぬく
しやがって”だとかなんとか言って
ずっとからかうし」

イトウ「私の発言が、私の真意と異なり
誤解を招いたことは遺憾。発言の誤解を
招きかねない部分については撤回し、
お詫び申し上げる」

そんなやりとりをしているとキャンプ
サイトのスタッフが拡声器で撤収時刻を
案内し始める。
「必ずお時間までにテントの撤収お願い
しまーす!あとどうしても持ち帰りたく
ない荷物、あると思います。テントや
キャンプ道具類などで持ち帰りたくない
ものは、下にコンテナ用意してますんで、
ポイッと捨てちゃってくださぁ~い!」

“世界一クリーンなフェス”を謳いながら
こんな露骨な発言が誤解を招かないか、
誤解を招きかねない部分については撤回し、
お詫び申し上げることにならないか心配だ。



さて我々が結局のところ今年最も期待して
いた「味平」に関しては3日間を通して
何度か元気な姿を目撃することができ、
その都度神に深く感謝した。

I'm Jumpin' Jack Flash
It's a LP gas, gas, gas

Baby AJIHEI can drive my car

Working Class Hero AJIHEI

Remember AJIHEI

Forever AJIHEI


イトウが何を血迷ったか今年のレンタカー
返却時間を13時に設定してしまっていた為、
我々は急いで帰らねばならない。

世田谷に13時返却って設定としてギリギリ
すぎだろ、毎年練馬インター降りるのが
12時くらいだろと指摘するがイトウは
「記憶にない」との発言を連発するばかり
で埒があかない。
(※「記録」はあるんだ!俺が毎年ここに
「記録」してんだから)

味平を無事見届ける帰路

都内着、環八で我々の横を広告トラックが
走っているのだが、イトウがエグザイルの
AKIRAの顔を黙々と撮影していた。

AKIRA

イトウはEXILE THE SECONDに入りたい
のか?はたまた「中高年の祭典」にもう
別れを告げたいのか?

そこのところ車中で私が問い詰めると
イトウは「この場で発言することは
事務局から止められておりまして」
「個別に取材を受けることのないように
と本部の方から言われておりますので」
と口をつぐむ。

来年は
苗場ファーストの会 THE SECOND が
無事苗場に行けることをここに願って。



【完】